本研究では、分岐鎖アミノ酸(BCAA)分解の律速酵素である分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素(BCKDH)複合体の特異的キナーゼ(BCKDHキナーゼ: BDK)の遺伝子を筋肉特異的に欠損(KO)させて、筋肉でBCAA分解を促進することにより遊離BCAAが不足したマウスを作製することを目的とした。筋BDK-KOマウスの作製は、 Cre-loxPシステムを用いて筋肉特異的に標的タンパク質を欠損させる方法を用いた。すなわち、マウスBDKのエクソン9~12をloxPで挟み込んだターゲティングベクターをES細胞へ導入しキメラマウスを作製した。1回目のES細胞ではベクターDNAの生殖系列移行ができなかったため、別のES細胞へのベクターDNAの導入を行い、キメラマウスを作成した。現在、このキメラマウスを用いてfloxed BDK遺伝子マウスの作製が進行中である。
|