【目的】ビタミンK除去納豆精製物NKCPはいわゆる「血液さらさら効果」を持つと言われ、健常人における血液凝固抑制効果、線溶系亢進効果などの報告がある。今回は、脳梗塞の二次予防・一次予防の視点から抗血小板効果について検討した。 【方法】対象は、中年群6人(45.2±3.0歳) 若年群12人(22.3±2.1歳)。 (1)レーザー散乱光粒子計測法(PA200;Kowa社製)でクエン酸加採血静脈血より作成した血小板多血漿(PRP)の、惹起剤無添加自然凝集能(SPA)、Adrenaline(AD)0.1M惹起(低濃度AD惹起)凝集能、それぞれにNKCP3μM添加時の凝集能を測定した。結果は、測定値の常用対数で示した。 (2)全血流動性測定装置(MCFAN;MC研究所製)で、ヘパリン加採血静脈血全血流動性を測定し、流動曲線の変曲点と閉塞指数を求めた。 【結果】(1)SPAは、中年群で4.3±0.3と若年群の4.0±0.3に比して高い傾向を認めた。中年群のPRPにNKCPを添加すると、SPAは4.0±0.4と若年群と同等まで低下した。(2)低濃度AD惹起では、中年群は4.7±0.3と、若年群の4.8±0.3に比してやや反応が低い傾向を認めた。(3)NKCP添加低濃AD惹起では、中年群4.6±0.3、若年群4.8±0.3と、中年群ではAD惹起が抑制されることがわかった。 (4)変曲点・閉塞指数に有意な差は認めなかった。 【考察】以上より中年群ではNKCP投与で、若年群に比して高い血小板凝集能が若年群並に抑制され、ストレス状態の血小板凝集能に近い低濃度AD惹起凝集も抑制されることがわかった。NKCPは脳梗塞riskの高くなる中年健常群で、血小板凝集能を抑制可能で、脳梗塞一次予防さらに二次予防において有用であることが示唆された。
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