本研究は小児期に肥満であった者を対象に予後調査(平均経過年数23.7年)を実施した。対象者の平均年齢は初診時10.4歳、予後調査時34.2歳であった。初診時の平均肥満度は46.1±19.1%であり、予後調査時の平均BMIは28.9±7.0kg/m2となっていた。小児期に肥満の程度が高かった者ほど成人で肥満を呈している割合が高く、全体としては68. 8%が肥満を継続していた。小児期から肥満を継続していた群では肥満を解消した群に比べ、腹囲、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、尿酸が有意に高く、HDL-Cは有意に低値を示した。小児期から成人期まで肥満を継続していた者では成人から肥満になった者に比べ、循環器系、糖代謝系に異常の多い傾向が認められた。
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