研究課題/領域番号 |
22650165
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 容子 関東学院大学, 人間環境学部, 教授 (70251501)
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キーワード | 高血圧 / 循環中枢 / 光学計測 / 膜電位感受性色素 / 機能構築 / ラット胚 |
研究概要 |
高血圧症発症の要因のひとつとして、循環器系の神経性調節機能の異常、すなわち循環中枢の関与が重要視されている。しかしながら、循環中枢に関するこれまでの研究は、脳内における解剖学的な位置の同定や、単一神経細胞からの記録にとどまっており、機能的なシステムとしての実体は、正常な個体においてさえいまなおblack boxのまま残されている。本研究は、光学的イメージング法を適用し、個体発生過程の正常ラットと病態モデルラット(自然発症高血圧ラットなど)の循環中枢の機能応答特性を比較して、高血圧症発症のメカニズムについて、循環調節機能の破綻という新観点から検証を行うことを目指す。 本年度は、自然発症高血圧ラット(spontaneous hypertensive rat:SHR)の胎仔を用い、正常ラットと疾患モデルラットとの比較で、循環中枢神経回路網の機能的構築過程に、どのような相違が、どの発生段階で、どのように現れるのかについて解析を行った。胎生16日のSHRラット胎仔から、迷走神経をつけた脳幹スライス標本を作製し、膜電位感受性色素NK2761で染色して、吸引電極を用いた迷走神経刺激に対する脳幹内応答のイメージングを行った。光学的シグナルの波形解析から、迷走神経に関連した運動核(迷走神経背側運動核)、感覚核(孤束核)を同定し、シグナルの定量的マッピングにより、各々の核の機能的構築を明らかにした。SHR胎仔の孤束核において、興奮性シナプス伝達機能は胎生16日ですでに発現しており、検出されたシグナルの大きさ、領域、シナプス後電位の生理学的・薬理学的特性などには、正常ラット胎仔との間で有意な差は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、申請書に記載したスケジュールに沿って順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度は胎生16日のSHRラットを中心に解析を行ったが、今後は胎生16日以外の発生段階も含めてより詳細な解析を進めていきたい。
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