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歩行困難者用電動ビークルのコンセプトの具体化に取り組むために、高齢者の椅子坐位姿勢の測定を行い、その姿勢分析データを参考に高齢者を意識した椅子について検討した。評価指標は頸の前傾角度、肘の角度、肩の角度等とした。また、坐位姿勢の変化による姿勢保持負担を評価するために、座面および背面圧の測定を行った。また姿勢保持による負担を血流計測値から推測するための計測を試みた。実験に用いた計測器は1chしかないので1回の測定でどの部位の血流が評価出来るかを特定するのが難しい。このため、強制的に姿勢を作った状態での計測を繰り返し測定した。これらの検討と平行して、市販の調節のできる事務椅子を用いて高齢者を対象にした測定実験を行った。その場合、椅子坐位における座面圧と足下圧の測定に加えて、手の支持による腕の圧力測定を行い坐位姿勢の確保に与える影響について検討した。
これらの測定結果について総合的な検討を行い、長時間坐位姿勢の変化による圧の変動と主観的疲労感や快適感との関係が明らかになった。姿勢保持負担をある部位の時系列圧変化の関数として表現することにより、圧の時間変化を計測することで疲労が発現するおおまかな時刻を推測することができるようになった。また、姿勢の変化による座面圧、足下圧および手の支持による腕の圧力の変化の関係を明らかにし、快適姿勢をもたらす背もたれの傾斜角を示した。なお、今回測定した血流計測値から姿勢保持負担の推定を行うことは出来なかったので、更に計測を重ねる必要がある。
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