研究課題/領域番号 |
22650167
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
森本 一成 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00127169)
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キーワード | 歩行困難者 / 坐位姿勢 / 筋電位図 / 3次元計測 / 負担低減 |
研究概要 |
電動ビークルの設計コンセプトの具体化に向けて、椅子坐位姿勢に関する座圧、背もたれ圧、筋電、ならびに血流を4種類の椅子について計測した。体重負荷については臀部、手腕部、ならびに足で支持することにより負荷を分散させると考えられるので、それらの部位を測定対象とした。また、高齢になると臀部がやせて体重負荷のほとんどを座骨結節で支えるため臀部と下肢の負荷が増大し、下肢抹消の血流阻害が出現しやすくなると考えられることから、血流の測定部位は下肢とした。これらの測定と並行して主観的な快適感についての質問紙調査を行った。実験に使用した椅子は坐位姿勢の異なるオフィスチャア2台と試作椅子2台であった。快適性は座面圧や背もたれ圧との関係が強いことが示された。一方、椅子の違いにより筋電の変動や血流の変動の違いも見られたが、それらと主観的な疲労感や快適感との顕著な関係は見られなかった。これは坐位姿勢を保持する時間を短くしたためと考えられ、血流を阻害するほどの圧迫が生じなかったからと思われる。電動ビークル設計のための坐位姿勢と生理的活動との関連を把握するために、座圧、筋電、血流ならびに主観評価の関係をさらに検討している。なお、動力部に関しては市販のモータを用いたビークルの台座部分の試作を行った。これと椅子との統合を可能にする機構を開発するために、京都試作プラットフォームとの交流事業において、この試作品をモデルにして歩行困難者用の室内移動ビークルについて議論し、実用性を考えると快適性の他に安全性の確保が問題点として指摘された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者による電動ビークルの快適性評価実験が遅れており、現在進行中であること。
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今後の研究の推進方策 |
遅れている高齢者の椅子坐位姿勢の生理学的評価実験を行い、快適性の評価に関する研究成果を活かした電動ビークルの開発を計画通りに進める。
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