研究概要 |
本研究の目的は,科学教育の研究者と経済学(労働経済学,数理経済学)の研究者が学際的に共同し,科学教育に固有な教育政策の投資効果を評価・予測するための分析フレームワークと新しい評価方法論・予測方法論を開発することである.このことを通して,科学教育政策の立案に向けて科学教育研究の立場から実効性のある提案を行うための学術基盤を構築する. 平成22年度では,文献研究と実地調査をベースとして,科学教育政策の投資効果を分析するためのフレームワークを策定することを行った.具体的には,下記の通りである. (a)文献・資料の収集とデータベース整理 科学教育関連図書や経済学関連図書およびこれらの領域の学術論文を収集,レビューし,本研究の基盤となる先端的な知見の集約を行った.関連図書や学術論文に関する研究資料については,データベース化を進めており,基礎資料の有効活用を目指す. (b)国内の訪問調査 国内の研究機関等を訪問し,科学教育政策の教育効果や費用配分に関する文献資料や関係者を対象とした予備的調査を行った. (c)分析フレームワークの策定 (a)と(b)に基づいて,科学教育政策の投資効果を分析するためのフレームワークを暫定的に策定した.フレームワークの構成要素として,現段階では,費用配分の測定指標(人的資源,大型設備,小型設備,教材,受益者,その他),教育効果の測定指標(理系進学者数,試験成績,科学の好嫌,職業観形成)などが同定された.
|