研究概要 |
2000年代の後半から2010年にかけて,ソーシャルネットワークシステム(SNS)に注目が集まっている.これまでも,電子掲示板のシステムは多く存在したが,人間同士の関係性を活用し,コミュニティの形成とコミュニティの活動を取り込んだシステムとして,その有効性が明らかになってきた.ソーシャルシステムは様々な分野での活用が模索されているが,我々は学習分野への適応を目指している.学習において,協調学習の研究によって,グループによる学習の効果は明らかになっている.そこで,本研究では,学習者がグループ,コミュニティを形成し,相互の学びを形成するLC(Learning Community)の活動を支援することを目指す.具体的にはLCの学習を支援するソーシャルシステムの構築を目指す. 本年度は,一年目として,各種のソーシャルシステムに対する調査をおこなった.2010年現在,多くの高等教育機関でSNSが活用されていることが分かった.一例を挙げると,福井県内では福井県立大学を中心にFレックスと呼ぶシステムを用いた実践をおこない成果を上げている.また,電子掲示板やブログベースのシステムから,Wikidpediaに代表されるような形で,共同でコンテンツを作成するシステムへとソーシャルシステムの形態が多様化していることも分かった.今後も,口コミサイトや動画共有サイトのような形で,コンテンツや知識を共有するシステムが増えるものと予測される.また,本年度は,プロトタイプシステムの設計も進めた.次年度以降,実装を進め実験等をおこなう予定である.
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