研究概要 |
2011年に発生した東日本大震災において,Twitter等が被災地での情報伝達において大きな影響を与えたことから,ソーシャルメディアに注目が集まっている.我々は,ソーシャルメディアの効果に着目し,学習への応用を目指している.他者との様々なインタラクションと介して学習を進める形態の学習効果が明らかになってきた学習者がグループ,コミュニティを形成し,相互の学びを形成するLC(Learning Community)の活動が重要である.我々は,こうした学習コミュニティを支援するシステムを,ソーシャルラーニングシステムの構築を目指している.本年度は,昨年度に続きソーシャルシステムに対する調査をおこなった.ソーシャルメディアのサービスは,多様化しつつあることが分かった.次に,我々はLCにおける学習効果が,どのようにして得られるかめモデルの検討をおこなった.とりあえず,学習意欲の維持に大きな影響を与えると考えるに至った.他者とのインタラクションは,独りで学習するよりも学習意欲の維持に寄与すると結論付けるに至った.こうした考えを検証するため,簡単な実験をおこなった,そこからも我々の仮説を支持する結果が得られた.他者の存在を定期的に意識させる,競争性の導入,相互評価等の手法が有効であると考える.さらに,こうした知見を基づき,ソーシギルラーニングシステムの設計をおこなった.一方,本システムはクラウド技術を取り入れて実装する予定であり,クラウドの調査もおこなった.次年度は,システムの実装と実験等をおこなう予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ソーシャルラーニングシステムの研究の中核を,学習モデルの構築において,基礎的な知見の調査・蓄積をおこない,また,仮説の提案や検証をおこなった.また,学習モデルに基づく,システムの設計もおこなったおおむね,年度計画に沿った形で研究を進めていると考える.研究を進める上で,多くの研究者らと定期的に打ち合わせをおこなうことができた.また,国内外の学会,研究会等において,研究成果を公表することができた.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,研究の最終年度であることから,研究の総括を目指す,ソーシャルラーニングシステムにおける学習モデルをデザインし,この学習モデルの有効性を検証する予定である.そのために,評価シズテムを構築し,実験をおこなう予定である.また,評価用のシステムの構築に,クラウド技術等を利用する予定である.研究を進める上で,研究打ち合わせ等を積極的におこなう等,研究組織を機能的に運用する.さらに,適宜,研究成果の公開に努める.
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