研究概要 |
(1)プログラミング学習環境の整備と実験 平成23年度は,従来提案していたオブジェクト指向言語における型・変数・オブジェクトの関係とデータ参照構造を視覚化するプログラミング学習環境AnchorGardenを改良し,クラス定義を行う上で必要となるメンバー変数やメソッドの概念,および実行時の振る舞いを動的に表現しつつ,グラフィカルな表現に対する操作によって学習することを可能にした.この内容を情報処理学会コンピュータと教育研究会が主催するSSS2011シンポジウムで発表した. 本システムとBlueJシステムの比較実験を行ったが,事前教示の影響によりシステムによる差異が認められなかったため,今後条件を再考した実験を行う. (2)プログラミング授業における学習者の座席位置と達成度に関する研究 プログラミング講義は計算機を配置した教室で実施されることが多いが,計算機を配置した教室は機材等の都合上,教師との距離が離れがちである.そこで教師との距離や注意(アテンション)と達成度の影響をはかるため,研究代表者が担当するプログラミング講義において,出席報告に含まれる座席位置情報および遅刻情報と,達成度(成績)との相関を計算した.その結果,後ろの座席に座ったり,遅刻する学生ほど成績が低いことを確認した.この内容を国際会議KES2011で発表した.
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