• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

「飽き」の指標となる脳波はあるか?

研究課題

研究課題/領域番号 22650205
研究機関九州工業大学

研究代表者

夏目 季代久  九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (30231492)

キーワード脳波 / 飽き / 家庭教師ロボット / 特殊的好奇心 / 拡散的好奇心 / 英語リズム学習教材 / α波 / β波
研究概要

心理学の分野で好奇心には特殊的好奇心と拡散的好奇心の2種類が提案されている。このうち、特殊的好奇心の研究は、動物、ヒトを用いて新規刺激環境での反応を見る事で盛んに研究されている。しかし一方、退屈ないし情報への飢えより生じ、はっきりした方向性をもたず幅広く情報を求める傾向の拡散的好奇心の研究はほとんど見られない。本研究では、ヒトにおける拡散的好奇心は、前の作業に対する「飽き」として発現すると想定し、ヒトが拡散的好奇心を感じる時、つまりヒトが「飽き」を感じる時の脳波を測定する。本研究の結果から、脳波を用いてヒトの「飽き」が検出されれば、学習者の「飽き」を検出し、「飽き」が来ない学習教材を提供する教育システム構棄や、将来、ヒトがロボットと共生して生活する局面における、ロボットの行動制御アルゴリズムの開発に役立つものと期待される。
本年度は、昨年度に引き続き、当研究室で使用している英語リズム学習教材を用いて、繰り返し英語リズム学習した時の脳波を国際10-20法に従い頭皮上8点から測定した。また、作業中、飽きを感じた時に手を挙げるように指示をした。繰り返し回数は被験者に提示しなかったが、総合計時間は15分ほどであった。昨年度は、4-6回ほどの繰り返しで、被験者は飽きを感じ始め、それより前から、α波(8-13Hz)、β波(13-30Hz)のパワーが減少する事、またその時、θ波(4-8Hz)パワーは変化しない事を明らかにした。今年度は、さらに実験、及び解析を重ね、γ波パワーも減少する事を明らかにした。さらに、前頭部と後頭部のα波の同期具合を示す指標であるコヒーレンスの減少が、他の波に比べて有意であった。以上の結果より、「飽き」を示す脳波指標として、α、β、γ波パワー及びα波のコヒーレンスが候補として挙げられる。さらに、脳波を用いたブレインコンピュータインターフェース技術の実用化のために必要なドライ電極の開発をインタークロス社と行い、ゲル電極と比較し、その問題点を明らかにした。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Change in EEG When You Are Bored2012

    • 著者名/発表者名
      Touma Katayama, Kiyohisa Natsume
    • 雑誌名

      The abstract of NCSP'12

      巻: (CD-ROM) ページ: 499-502

  • [雑誌論文] ブレイン・コンピュータ・インターフェースを用いたゲームの実用化に向けて2012

    • 著者名/発表者名
      岡本達也、夏目季代久
    • 雑誌名

      IEICE Technical Report

      巻: 111(498) ページ: 131-135

  • [雑誌論文] 英語リズム教材による学習と脳波変化の特徴-ビート音の効果-2011

    • 著者名/発表者名
      中野秀子、夏目季代久
    • 雑誌名

      Computer & Education

      巻: Vol.13 ページ: 88-93

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Repeated learning of the same material changes the power of alpha and beta waves in human electroencephalography study2011

    • 著者名/発表者名
      Touma Katayama, Kiyohisa Natsume
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: 71, Suppl ページ: e390

    • 査読あり
  • [学会発表] The temporal change in EEG coherence when you are bored2012

    • 著者名/発表者名
      Touma Katayama, Kiyohisa Natsume
    • 学会等名
      Neuro2012
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      20120900
  • [学会発表] ブレイン・コンピュータ・インターフェースを用いたゲームの実用化に向けて2012

    • 著者名/発表者名
      岡本達也、夏目季代久
    • 学会等名
      非線形問題研究会
    • 発表場所
      福江文化会館(長崎県)
    • 年月日
      2012-03-28
  • [学会発表] The Change in EEG When You Are Bored2012

    • 著者名/発表者名
      Touma Katayama, Kiyohisa Natsume
    • 学会等名
      NCSP'12
    • 発表場所
      Waikiki Beach Marriott Resort & Spa (Hawaii, USA)
    • 年月日
      2012-03-05
  • [学会発表] Repeated learning of the same material changes the power of alpha and beta waves in human electroencephalography study2011

    • 著者名/発表者名
      Touma Katayama, Kiyohisa Natsume
    • 学会等名
      Neuro2011
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [備考]

    • URL

      http://www.brain.kyutech.ac.jp/~natume/labogyouseki.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi