高等教育機関が社会人のための再教育機関としての役割も担うためには、時間的空間的自由度の高いe-Learning Systemは必須であると考えられるが、単位認定のためのテストはその公平性の確保という視点から、同一場所に集合して実施されることが多い。しかし、社会人の学びやすさの立場からは、テストにおいても空間的時間的自由度の確保が必要であると考えられる。そこで、本研究では、時間的空間的に自由に受験できるインターネット上の非同期型テストシステム(e-Testシステム)において公平性が確保できる「個人認証法」及び「非定常行動検出法」を開発することを目的とした。平成22年度は、以下の事柄を実施した。 (1) 高等教育機関でe-Testを利用する場合の課題を整理した。 (2) あらかじめ採取した参照用筆記データとe-Testでの解答筆記データを比較するための文字照合モデルを開発(DPマッチングやオペレーションズリサーチ(OR)手法の導入)し、実際に模擬的にテストを行い、その有効性を検証した。 得られた成果は、国内の学会、研究会等で発表し、かつ論文としてまとめた。平成23年度以降は、引き続き、文字照合モデルの改良を行い、さらに非定常行動検出(異常検知)のためのモデルの開発を行う予定である。
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