研究課題
高等教育機関が社会人の再教育のための役割を担うために、時間的空間的に自由に受験できるネットワーク上のeテストシステムが有用であるが、公平な単位認定のためには受験者のなりすましやカンニングの防止が必須である。そこで本研究では、個人認証及び非定常行動検出のできるモデルを提案し、モデルを搭載したシステムを開発することを目的とした。ここでの個人認証とは、一人の受験者と他の受験者を識別して「なりすまし」を検出することであり、非定常行動検出とは、一人の受験者が本人の通常行動とは異なる行動をしているかどうかを判断して「カンニング」を検出することである。具体的には、eテストで受験者がペンタブレットで文字入力して受験することにより、[1]予め採取しておいた参照用筆記データとeテストでの解答筆記データを比較する文字照合モデルを開発すること、すなわち一人の受験者と他の受験者を識別すること、[2]テスト全体に対する解答行動を評価するための時系列の参照データを採取し、eテスト受験時のデータと比較する行動照合モデルを開発すること、すなわち一人の受験者の行動が通常と異なる場合を識別すること、[3][1][2]を搭載したシステムを開発することを目的とした。[1]については、文字種を限定して予め登録しておいた参照用筆記データと比較照合するモデルだけではなく、少ない文字登録で比較できるように文字を分割して比較照合できるモデルも開発して、モデルは実用に近いレベルまで精度が向上した。[2]については単に解答する場合と視覚的・聴覚的な情報が与えられた場合との比較で、前者と後者には、個人内で異なる行動パターン(解答時間、解答インタバル等)となることがわかったが、モデルの精度が十分ではないので、システム実用化に向けて精度を向上させるべく、研究を継続していく予定である。本研究の成果は国内外の学会で発表した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of 7th International Technology, Education and Development Conference
巻: 1 ページ: 47-51
電子情報通信学会技術研究報告
巻: Vol.112、No.104 ページ: 29-34