研究課題
表面抗原は細胞外からの刺激を細胞内に伝達する役割を担っている。ALLにおいてがん幹細胞特異的表面マーカーは、どのようなシグナル伝達系を介して、どのようなピストン修飾酵素の活性を変化させ、がん幹細胞に重要な遺伝子の活性を変化させるかを、その分子機構について明らかにする。さてB細胞型急性リンパ芽球性白血病(ALL)の予後は最近非常に改善したが、ある症例は依然として治療抵抗性である。我々は、以前CD9はB細胞型ALL細胞株に多様性に発現されており、CD9陽性株は不均等分裂を示し、CD9陰性細胞株と比して、免疫不全マウスで腫瘍形成能も高い。さらにCD9陽性株は免疫不全マウスで連続移植が可能であることから、CD9陽性細胞は自己複製能力を保持していることを示唆している。我々はCD9のB-ALLにおけるがん幹細胞の特性についてさらに詳しい解析を行った。患者検体ではCD9はB-ALLのほとんどの症例で発現し、CD34の発現と関連していた。遺伝子発現解析の結果、白血病誘発性融合蛋白やSrc族蛋白はCD9陽性集団において有意に調節されていた。さらにCD9陽性細胞は薬剤抵抗性を示したが、これらの細胞はCD9抗体によりその増殖は抑制された。CD9発現のノックダウンは白血病誘発潜在能力を減少させた。さらにCD9の遺伝子削除はSrc族の発現やそのチロミンリン酸化に影響を与え、またピストン脱ユビキチン酵素のUSP22の発現を減少させた。このようにCD9はいくつかのシグナル伝達経路やB-ALLのがん幹細胞を調節しているユピジェネティック制御に連結している可能性を示唆した。
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