研究課題/領域番号 |
22650239
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
半田 康 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任助教 (70571785)
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研究分担者 |
吉岡 英治 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (70435957)
佐々木 成子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30448831)
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キーワード | 遺伝子環境相互作用 / 食の安全 / 食肉 / エストロゲン / 発癌 |
研究概要 |
日本とベトナム、アメリカの比較の予定であったが、ベトナムのツーヅー病院(ホーチミン市)の事情により研究協力が困難となり、ベトナムでの調査が不可能となった。このため、東南アジアでの比較対象国をフィリピンに変更し、イースト・アベニュー・メディカルセンター(ケソン市)へ協力依頼を行い、承諾が得られたため、調査対象施設を変更した。また、国内の協力施設での倫理審査に時間を要し、ヒトの検体数が測定するまでに十分に揃わず、ヒトの検体の測定、解析は平成23年度にまとめて行う方針とした。 まず、日本産、アメリカ産の牛肉と鶏肉の組織中のエストロゲン濃度の測定を行った。牛肉、鶏肉ともにエストロゲン濃度は赤身部位よりも脂肪部位が高かった。鶏肉のエストロゲン濃度は牛肉よりも有意に高濃度だった。牛肉では国産に比較してアメリカ産の牛肉のエストロゲン濃度が高濃度であったが、鶏肉では国産とアメリカ産との間に有意差は認められなかった。国産でもブロイラーではない地鶏ではエストロゲン濃度が極めて低濃度であることから、鶏肉中の高濃度のエストロゲンは外的(人為的)に投与されたエストロゲンの残留によると考えられた。また、牛肉ではE2がE1よりも高濃度で優位(E2/E1>1)であったが、鶏肉では逆にE1がE2よりも優位(E2/E1<1)である違いが認められた。これは、家畜へのエストロゲン投与方法の違い、すなわち、肉牛へはE2を皮下投与、鶏にはE1を飼料として経口投与の違いによるものと想定された。フィリピン産の牛肉、鶏肉のエストロゲン濃度測定は平成23年度に行う予定である。
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