研究課題
H22年度は以下の項目を実施した。1)海水中のDIC中のδ13C高速抽出・濃縮処理法の開発これまでに開発した分析法をベースにその分析時間短縮のための機器開発を実施した。具体的には、一系統の抽出・濃縮系の手動操作を展開し測定していたが、この条件では15分以内の測定時間を達成するのは難しい。そこで、この処理系の試料抽出・濃縮の自動化、特に、律速段階となるCO2冷却濃縮操作に自動化を組み込むことで時間を半減でき、また、2試料を並行して測定するプログラム導入により、15分以内での0.02%以下の高精度測定法を目指し、概ね当初目的を達成した。2)溶存気体高頻度採水用システムの開発と実証試験観測船平均巡航速度10ノット前後での安定性した採水を可能とする開発・改良に着手した。大気からの気泡貫入をなくし、深く潜行させるための曳航体の重量化・改良設計(ステンレス製、本体総重量75kg、水平翼片羽長450mm、下方角度10°)を行うとともに、曳航体から観測船まで海水をくみあげるために必要な各種ポンプの検討し、採水ポンプとしてベーンポンプの選定を行った。これらの実証試験を行うため、主に北海道沿岸域において、平成22年10月ならびに荒天が続く翌年2月に、北海道大学・おしょろ丸に搭載し、曳航体の安定性・採水安定性等の性能試験を行った。また、2連装にしての性能試験も行った。その結果、いくつかの若干の改良は必要ではあるが、概ね計画どおり、巡航速度10ノットで、気泡の混入なく深度20m前後からの採水が可能であることが分かった。
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Journal of Geophysical Research
巻: 116 ページ: C02006
Journal of Experimental Marine Biology, Ecology
巻: 395 ページ: 191-198