研究概要 |
1. ハビタットレベルでの生物多様性ポテンシャル評価 ハビタット内の個体数及び遺伝的多様性評価のためのHSIモデル構築:象徴種の生息地ハビタット変数(SIモデル)をベースとし,ハルリンドウ(里地里山評価種)ヒメタイコウチ(湿地生態系評価種)アカネズミ(林相評価種)の個体数及び生息の有無を目的変数とした生息地適性指数モデル(HSI)を構築した(環境アセスメント学会誌受理).また里地里山評価種であるハルリンドウに関しては複数年度のデータをもとに,より普遍性の高いHSIを構築できた.(環境アセスメント学会誌受理) 2. 流域圏内のハプロタイプネットワークを用いた遺伝的多様性評価 里地里山評価種ハルリンドウの周伊勢湾域のハビタットレベルでの遺伝的多様性評価を行い,ハプロタイプネットワークを構築し,GISを用いて各ハビタットの表層地質とレイアー解析を行なった.その結果,本地域のハルリンドウの遺伝的多様性は地史的要因に規定していることが明らかとなった.(中部大学現代紀要受理) 3. 湿地生態系の植物栄養学的解析 湿地生態系の植生と水質の理化学的特性との相関を解析した結果,周伊勢湾域の東海丘陵要素植物群は酸性貧栄養(低硝酸含量)であることを明らかにした.(湿地学会投稿中) 4. COP10でのアピール 2010年名古屋で開催されたCOP10の際には,生物多様性交流フェアーでブース展示を行い,中部大学,清水建設(株)技術研究所,愛知県の産学官連携による取り組みとして,本申請課題をアピールした.
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