研究課題
本研究ではこれまでに研究代表者および連携研究者らが調査を行った青海省、甘粛省、内モンゴル自治区にまたがる黒河流域を主たる研究対象地とする。黒河流域では1990年代に中流域で灌漑農地開発が進行した結果として、下流域の水不足、砂漠化が進行し、末端湖の消失や植生の荒廃など環境問題が顕在化した。そのため、下流域の生態環境回復のため、中流域において「節水」政策が実施され、同時に下流域では従来行われていた遊牧の禁止が行われ、一部では草地回復のため牧民を強制移住させるなどの生態環境政策が実施された地域である。本研究では多面的、分野横断的な研究を行うために様々な分野を専門とする研究者、さらに海外共同研究者も含んだ6名の研究者により研究組織を構成した。本研究では、中国甘粛省の黒河流域の対象地について、それぞれの専門を活かして、その目的、手法、効果の評価、住民の生活や文化に与える影響などを聞き取りや資料収集、現地観測・調査で明らかにする。また同時に同一の対象を調査することによって共通の現状認識を把握、確認すると同時に、相互の交流をはかり、議論を深めた。また、政策実施に至るまでの各地域の歴史的な変遷を把握するために、土地利用状況などについて現地資料収集・解析とともに衛星データを利用した。
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Proceedings of the 8th International Symposium on Southeast Asian Water Environment
ページ: 40-49