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2010 年度 実績報告書

機能遺伝子のmRNAを標的としたFISH法の開発と脱窒素細菌の網羅的検出へ適用

研究課題

研究課題/領域番号 22651031
研究機関長岡工業高等専門学校

研究代表者

荒木 信夫  長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (30193072)

キーワード脱窒素細菌 / 高感度蛍光検出法 / 機能遺伝子 / 亜硝酸還元酵素 / nirS mRNA / 微生物検出法
研究概要

生物学的窒素除去プロセスを開発し,高効率に運転管理するためには,プロセスの鍵を握る微生物群を検出し,それらを制御する必要がある.特に,脱窒素細菌群は系統学的に多様性が大きく,従来の16S rRNAを標的としたFISH法で網羅的に検出することはできない.そこで本研究では,脱窒素細菌群が保有するnirS遺伝子に着目し,その転写物であるnirS mRNAを標的とした排水処理プロセス中の脱窒素細菌群のFluorescence in-situ hybridization(FISH)法による検出法の開発を行った.FISH法に用いるプローブには,より広い検出レンジで標的微生物群を検出可能かつ高い特異性を達成可能なオリゴヌクレオチドプローブを採用した.また,通常のFISH法では細胞内低コピー分子であるmRNAの検出が困難であると考えられるため,Tyramide signal amplification(TSA)反応を利用した高感度FISH法のCatalyzed reporter deposition(CARD)-FISH法の適用を行なった.まず,nirS mRNA配列に特異的なnirS2RプローブのΔG°を計算し,高い親和性を持つプローブであることを確認した.次に,5'にHorseradish peroxidase(HRP)を標識したnirS2RプローブのFISHプローブとしての有効性の実験的評価を,Clone-FISH法を用いて行った.その結果,nirS2RプローブはFISHプローブとして適用可能であり,最適条件下においては,汚泥内で発現したnirS mRNAのみを特異的に検出可能であることを示した.そして本手法を,純粋菌株nirS遺伝子を保有するみPseudomonas stutzeriに適用したところ,低酸素条件下で培地に亜硝酸塩添加した場合にnirS mRNA由来と考えられるシグナルを得ることに成功した.また,し尿を処理する実排水処理サンプルに対しCARD-FISH法を適用したところ,一部の菌体からmRNA由来と考えられるシグナルが検出できた.ただし,DAPI染色細胞に対するnirS2Rプローブ検出細胞の検出率は0.1%以下であったため,今後,本手法の妥当性・有用性をより詳細に検討する必要がある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高感度FISH法とポリヌクレオチドプローブを適用した脱窒素細菌のnirK遺伝子の検出2011

    • 著者名/発表者名
      前谷広太, 荒木信夫, 山口隆司, 他
    • 学会等名
      第45回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-03-18
  • [学会発表] CPRINS法と高感度FISH法を用いた遺伝子検出法の開発2011

    • 著者名/発表者名
      青木仁孝, 荒木信夫, 山口隆司, 他
    • 学会等名
      第45回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-03-18

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公開日: 2012-07-19  

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