研究課題
平成22年度に開発したX線強度モニターを使い、以下の二つの項目について研究を推進した。1.収束イオンビーム化学気相法によって作製されたナノ構造体の電子密度分布評価大阪大学のウルトラクリーン研究施設内の収束イオンビーム加工装置よりナノ構造体を作製した。具体的には、収束イオンビーム装置にタングステンカルボニルを導入し、SiNメンブレン上に収束イオンビーム化学気相法によって、タングステンとカーボンで構成されるナノ構造体を製作した。大型放射光施設SPring-8のBL29XULにおいてX線強度をモニターしながら、ナノ構造体のコヒーレントX線回折顕微法測定を行なった。コヒーレントX線回折パターンに位相回復計算を実行した結果、ナノ構造体の電子密度分布を24.1nmの空間分解能でイメージングすることに成功した。また、このときのコントラスト分解能は2.3×10^7電子/ピクセルであった。2.タングステンのL3吸収端でのナノ空間分解XAFSイメージング測定タングステンのL3吸収端近傍の複数のX線エネルギーでコヒーレントX線回折パターン測定を行った。コヒーレントX線回折パターン中のある斑点強度のエネルギー依存性を調べた結果、XAFSスペクトルと良く似たスペクトルを得ることができた。これは、試料内部のある相関長に対応する構造情報を反映したXAFSスペクトルであると解釈できた。これにより、本課題で提案したナノメートル空間分解XAFSイメージングに成功したと言える。
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