研究概要 |
本研究課題では,確率論的不確実性のみならず,ファジィ論的曖昧性を同時に取り入れた,いわゆる究極の不確実性の下での多目的多重レベル計画問題の定式化に挑戦するとともに,上位レベルの意思決定者と下位レベルの意思決定者がお互いの立場をわきまえて,可能な限りレベル間の満足度をバランスよく達成させるようなそれぞれの意思決定者間の対話を考慮した新たな対話型多目的意思決定手法の開発に焦点が当てられ,(1)現実の意思決定状況のランダム性とファジィ性を同時に考慮した究極の数理計画法として,ファジィ数の実現値が確率的に変動するファジィランダム数理計画法のみならず,平均や分散がファジィ数であるようなランダムファジィ数理計画法の定式化に関する研究と(2)上位レベルと下位レベルの意思決定者の間の対話をも考慮した多目的多重レベル計画法への統合と一般化を目指して,一般化不確実性状況下での対話型意思決定手法に関する研究の2種類のテーマに分類される.これらの研究テーマへの挑戦に際して,本年度の研究成果として,ファジィ性とランダム性を考慮したランダム変数係数を含む多重レベル計画問題を定式化するとともに,満足基準最大化に基づいて,下位レベルの意思決定者の満足度とのバランスを考慮しつつ対話的に上位レベルの意思決定者の満足解を導出するという対話型意思決定手法を提案するとともに,関連分野へのいくつかの研究成果も得られ,内外の学術雑誌に掲載された.
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