視覚障害者、聴覚障害者を対象に一斉に安否確認が出来るサブシステムを、ハードウェア、ソフトウェアともに開発した。地震のように突然襲ってくる災害には、本部からサーバを使って対象者へ一斉に安否の確認の連絡が行われる。それを受けた対象者は自分の状況に応じて「無事」であるか「救助」が必要かをボタンを押して応答する。その際、応答がない場合には繰り返し安否確認を繰り返すと共に、最悪の場合(閉じこめ、意識を失っている等)を考えて対応する。応答があった場合には、その応答を受け取ったという確認の連絡をする。台風や集中豪雨のように予め被害が予測できる場合には、避難勧告などの情報を一斉に送信する。 通信の内容は事前に音声(視覚障害者対象)、文字列(聴覚障害者対象)共に記録しておき、状況に応じて最適な内容が出せるようにソフトウェアで制御する。一度に多くの対象者と通信するので、上記音声、文字列は記号化しておき、通信は記号を送ることによって通信量を出来るだけ少なくする工夫している。 端末の機能としては、(1)通信:メールを基本とする、(2)音声:視覚障害者対象、(3)光:本部から送信があったことを対象者に知らせる、(4)文字:聴覚障害者対象、(5)振動:本部から送信があったことを対象者に知らせる、(6)電源:充電式とし、GPS機能をもたせた。 上記機能の実現を目指すために、CPUモジュールとしてArmadillo-500、通信カードとしてe-mobileのD02HWを用いた。そしてe-mobileのダイアルアップ、DYNDNS登録、本部サーバからのHTTPリクエスト受信、スピーカーからの音声、LEDランプの点滅、ボタンを押すと本部サーバに救助、無事のリクエスト送信といった機能を実装した。 GPS機能は本部が「救助」信号を受信後、救助に向かうときに要援護者の現在位置を知るために使用する。また、安否確認の応答がない場合にもGPSにより要援護者の現在位置を知り、救助に向かう。平時でも要援護者の行方不明の場合などにも活用できる。 以上の端末を用いて、視覚障害者、聴覚障害者から意見を聞いた。それを基に改良を進める予定である。
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