研究課題/領域番号 |
22651068
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
間瀬 肇 京都大学, 防災研究所, 教授 (30127138)
|
研究分担者 |
米山 望 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90371492)
鈴木 進吾 京都大学, 防災研究所, 助教 (30443568)
森 信人 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90371476)
|
キーワード | 津波 / リアルタイム予測 / 流体解析 / 津波防御ゲート / フラップゲート / ニューラルネット法 / 逆解析法 / 津波実験 |
研究概要 |
ニューラルネットワーク法の有用性を生かして、京都大学防災研究所白浜海象観測塔で得られる20分間の津波観測波形を用いて、大阪湾内に到達する津波規模の予測ができることを確認した。この方法は、予測出力として、初期の数波の最大水位と最低水位を対象とする。津波波形そのものの予測には、逆解析法による波源推定の可能性を調べた。津波の想定波源域をどのくらいの小領域に分けるのが良いか、あるいはその波源域範囲の影響を調べた。また、予測計算として、CPU(中央演算処理装置)より大規模な並列数値計算が実行可能なGPU(画像処理装置)を使用して、一般に用いられている浅水理論の数値計算を、大規模並列化して高速に解析する手法を開発した。広領域の津波の条件が分かればそれを入力条件として、より詳細な流体挙動が解析できるモデルを開発した。1つは、津波防御ゲートあるいは漂流物を剛体として取り扱い、剛体を移動する境界と見なした流体解析モデル(物体境界移動法)であり、物体の境界形状を適切に取り扱うためFAVOR (Fractional Area Volume Obstacle Representation)と水面追跡にVOF (Volume Of Fluid)の考え方を利用した。また、主格子の中に補助格子を重ねて配置する重合格子法を用いた。これは、津波防護ゲート等の構造物が存在する場合、構造物周りに細かいメッシュを配置してそれに作用する力や運動を解析し、主格子の流体解析の結果と相互に情報をやり取りする数値モデルである。気液境界面のモデル化には、レベルセット法を用いた。数値的な研究に加えて、フラップゲートに作用する津波力や高潮、高波の実験を行った。実験結果からフラップゲートの外力特性や耐波安定性を検討するとともに、津波とフラップゲートの相互作用の影響を検討できる数値モデルによる算定結果と比較した。これにより、数値モデルの妥当性も検証することができた。
|