研究概要 |
地震発生後,地震情報と主として海象情報をもとに,ニューラルネットワーク法や逆解析法により数分~数十分で行えるリアルタイム津波予測法を構築した.実際に,逆解析法により,東北地方太平洋沖地震による津波の想定波源域推定と津波予測の可能性について検討した.また,東海・東南海・南海地震により発生する津波に対して,GPU(画像処理装置)により高速化された津波数値解析手法を用いて,波源特性を十万ケースほど変化させて津波の数値解析を行い,波源の変化による沿岸での津波の特性の変化を分析した。 加えて,臨海部における津波挙動解明に向けての流体解析,津波・フラップゲート運動の水理模型実験による把握,流体・構造物の相互作用解析を行い,津波防御システム構築の可能性を検討した.具体的な内容は,1)ゲートの構成部材の連成を考慮した重合格子法を用いた,ゲート本体と流体抵抗板と流体の運動特性,および作用波力の解析,2)剛体を移動する境界と見なした流体解析モデル(物体境界移動法)による東北地方太平洋沖地震による釜石湾での津波挙動解析,3)フラップゲートの現地への設置による基礎データの取得を行った.
|