研究1 上陸して被害を発生した竜巻の事例ピックアップ 気象庁の竜巻等突風データベース(1961年~2010年)に記録された全事例から、海上で発生し、その後上陸した竜巻のみを抽出して、次のような作業を行った。(1)竜巻を撮影した写真の有無調査、(2)全竜巻に対する水上起源竜巻の比率の調査(2009年発表のバージョンアップ)、(3)海岸線との距離と全竜巻の発生地点別分布図の作成。 研究2-1 直噴気流によるしぶき発生装置製作と実験 装置を製作して実験した。風量にもよるのだろうが、左右から中央に吹き寄せ上昇するコーナー流れでは、顕著な水しぶき飛散は見られなかった。これに対し、竜巻のコアに相当する中央部に下降気流を与えると、風量変化にほぼ比例して水しぶきを飛ばすことができた。風速と飛散する水しぶきの粒径の関係整理は次年度回しとしたが、研究2-2で次年度に製作する装置の水しぶきの飛び具合が満足できなかった場合には、この結果を活用できることが分った。 研究2-2 人工竜巻発生装置の計画・設計 次年度製作予定の人工竜巻発生装置は、風洞吹出し気流を屋外に吹き上げて利用する方法など、いくつかを検討してきたが、東京大・新野宏教授指導の水上竜巻実験が我々の目的に合うことを知った。それに倣って、大型軸流送風機を利用して水面付近の空気を吸い上げる方法を採用することに決め、装置製作に必要な部材の一部を購入した。
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