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2010 年度 実績報告書

ソマトラクチンによる健康的な体脂肪率の調節

研究課題

研究課題/領域番号 22651074
研究機関日本女子大学

研究代表者

深町 昌司  日本女子大学, 理学部, 准教授 (20323446)

キーワードメダカ / ソマトラクチン / 脂肪率
研究概要

ソマトラクチンと体脂肪率の因果関係を調べる目的で、本年度は、メダカの肝臓の脂肪率を測定する系を研究室に立ち上げた。具体的には、肝臓を生理的塩類溶液に浸し、実体顕微鏡下で余分な付着物をピンセットで取り除き、Bligh&Dyer法を用いてクロロホルム層に脂質を抽出・乾燥・イソプロパノールに再溶解した後、トリグリセライドE-テストワコー(和光純薬)を用いて定量することで、安定した値を得ることに成功した。この系を用いて、ソマトラクチン欠損突然変異系統(color interfere; ci)、ソマトラクチン強制発現遺伝子組換え系統(Actb-SLa:GFP)、およびソマトラクチン通常発現系統(Hd-rr)の肝臓脂肪率を測定したところ、予想に反し、有意な差が検出されなかった[Yoshimura & Fukamachi 未発表(以下略)]。更に、これらの系統を交配して得たF_2を、SLの遺伝子型に応じてグループ分けして肝臓脂肪率を測定したところ、グループ間で有意な差は検出されなかった。これらの結果は、ソマトラクチンが肝臓脂肪率の調節には無関係であることを支持している。一方で、同じ飼育部屋で飼育した同系統の個体であっても、実験時期や水槽の位置によって、肝臓の脂肪率が有意に異なることが新たに判明した。この結果は、飼育環境の肝臓脂肪率への影響が当初の想像以上に大きく、比較に用いる個体は同一水槽内で飼育する必要があることを示唆している。通常、異なる系統は異なる水槽で飼育するのが基本であるため、先行研究において検出された肝臓脂肪率の差異は、実はソマトラクチンの遺伝子型ではなく、飼育環境の微妙な違い(コケの生え方、アカムシの発生率、飼育密度等)を反映していた可能性がある。以上の結果を踏まえ、具体的にどの様な飼育環境がどの様に脂肪率を変化させるのか、平成23年度の研究で調べたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ヒメダカの目が黒い理由(わけ)2010

    • 著者名/発表者名
      深町昌司
    • 学会等名
      第23回日本色素細胞学会学術大会
    • 発表場所
      東京慈恵会医科大学
    • 年月日
      2010-11-28

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公開日: 2012-07-19  

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