| 研究概要 |
本研究は、暴力・虐待に対する「子ども家庭の安全保障」の確保のために有用な理論的枠組みの考察と実践における包括的支援のありかたを探求することを目的とする。最終年度の総括として、「Family at risk - vulnerability and complexity, East and West」国際学術会議を平成24年５月3－4日にオックスフォード大学社会政策学部で実施した。この会議での主要な基調講演と研究報告は学術誌『International Journal of Public and Private Healthcare Management and Economics』の特集号に収録され（2012・12月号と2013・3月号）、さらに深化・展開させた論文集をモノグラフとして編集中である（2013年５月末入稿、年内にIGI Global社から出版予定）。
法学分野との学際的な研究活動にも取り組み、８月26日には「民科民事法部会夏合宿研究会」で研究報告を行ない、『法律時報』誌の小特集に投稿する機会を得た。また、10月から11月にかけて児童養護やDVシェルターなど、緊急時を含む子ども家庭への支援の現場への研究成果の還元に努めた。研究代表者が、岡山県中央児童相談所専門職研修（10月2日, 岡山県庁）での講義（暴力加害者の実体）および全国シェルターネットシンポジウム（10月13-14日, 阪南市）分科会「別居・離婚後の子の監護」での報告を行ったほか、神戸市男女参画推進センターとの連携により、国際セミナー・ワークショップ「子どもの性暴力被害者への支援」（スウェーデン・ウプサラ大学のエリザベート・ネースマン教授を招聘、11月30日）を実施した。この国際セミナー・ワークショップでは講演だけでなく、福祉、医療、警察などの参加者同士の討論を通じて多職種間連携への理解を深めた。
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