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2011 年度 実績報告書

音楽によるストレス解消のメカニズム-心理生理学的モデル構築の試み

研究課題

研究課題/領域番号 22652016
研究機関富山大学

研究代表者

海老原 直邦  富山大学, 人文学部, 教授 (00106775)

キーワード音楽療法 / ストレス / ストレスホルモン / コルチゾール / クロモグラニンA / ELISA法
研究概要

前年度に引き続き、人前でのスピーチと複雑な計算課題(TSST法)を与えてストレスを高めた被験者に音楽を聴取させると、音楽聴取のない場合に比べて、ストレスが速やかに解消されるかどうかを実験的に調べた。音楽の種類には高揚的音楽と鎮静的音楽の2種類を設けた。また、ストレスの生理的指標として、ストレスホルモンであるコルチゾールとクロモグラニンAの唾液中濃度をELISA法により測定した。さらに、特に心理的ストレス指標と生理的ストレス指標の関連性に着目して、その対応関係等についても検討することとした。
実験手続きは次のとおりであった。15名の大学生を対象に、TSST法によりストレスを負荷した後、音楽を聴取させる音楽条件と音楽なしで安静にさせる統制条件に参加させた。両条件の心理的および生理的ストレス度を、ストレス負荷直前、直後、その5分後、10分後、25分後の計5回にわたり測定した。
実験の結果、音楽聴取は聴取のない場合よりも心理的ストレスを速やかに低減させる効果があり、その効果は鎮静的音楽よりも高揚的音楽において、より顕著であることが確認できた。一方、生理的ストレスについては、音楽聴取条件と統制条件の間に統計的に有意な差は認められなかった。ただし、音楽条件においては、ストレス負荷後、音楽聴取を開始して後、ストレス度が安定して減少していくという変化のパターンが、心理的ストレスと生理的ストレスの2指標間で類似している点で、良い対応関係が認められた。これに対し、統制条件ではそのような対応はみられなかった。なお、音楽条件においては、音楽聴取開始後に心理的ストレス度が急速に減少したのに対して、生理的ストレス度の減少は、比較的緩慢であることが認められた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 音楽のストレス解消効果2012

    • 著者名/発表者名
      海老原直邦・中島麻菜
    • 雑誌名

      富山大学人文学部紀要

      巻: 第56号 ページ: 48-58

  • [学会発表] 音楽のストレス解消効果に関する実験的検討-心理指標と生理的指標を用いて2011

    • 著者名/発表者名
      中嶋麻菜、海老原直邦
    • 学会等名
      北陸心理学会第46回大会
    • 発表場所
      富山大学人間発達科学部
    • 年月日
      2011-11-12
  • [備考]

    • URL

      http://www.hmt.u-toyama.ac.jp/kiyu.html

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公開日: 2013-06-26  

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