1 フランス古典喜劇マリヴォー『恋のサプライズ2』全訳を完成した。2 『恋のサプライズ2』全訳をインターネット・ホームページ上に掲載した。3 『恋のサプライズ2』の翻訳を通じ、フランス古典劇の日本語現代語訳のメソッドをほぼ確立することができた。この翻訳メソッドの特徴は:テクストの意味内容を“訳す”だけではなく、音のリズムや音の流れ、韻律、テンポ、間(ま)、テクスト内の“息遣い”なども含め、テクストのトータルな“身体”を日本語という外国語テクストのうちに再構築するためのメソッド(翻訳『恋のサプライズ2』は本メソッドの具体的な応用例となっている)。4 3の翻訳メソッドの17世紀フランス韻文古典劇への応用について研究を開始した。5 フランス国立図書館所蔵の古典劇映像資料の分析を通じ、現代における古典劇のレパートリー化に関する大きな研究成果を得た。とりわけ、ガリン・ストイエフ演出によるマリヴォー『愛と偶然の戯れ』は、フランス古典劇の“現代化”および外国人(演出家)によるフランス古典劇上演という二つのレベルで重要な研究資料を提供してくれた。6 パリにおける演劇実践の現状を調査した。とりわけ、外国人演出家によるフランス古典劇(ラシーヌ他)上演、カナダなどフランス以外のフランス語圏演劇のフランスでの受容などについて、調査研究ができた。7 日本におけるフランス関連の演劇上演についてブログ上に記事を発表し、日本の一般的小劇場演劇のあり方に対する“違う視点”、“別な選択”を紹介した。 8 多様な演劇人と「古典翻訳劇上演およびそのレパートリー化」の意義についてディスカッションを行った(ただし、実際の公演には至らなかった)。8 『恋のサプライズ2』翻訳をベースにしたリーディング形式のワークショップを、大学の通年授業でおこなった(2013年度には、授業をベースにしたリーディング公演を行う予定)。
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