本研究は、17、18世紀のフランス古典演劇を日本演劇(劇団や演劇部)のレパートリーとして導入・定着させるためにはなにが必要か、なにがその導入・定着を妨げる要因となりうるかを解明するとともに、必要なものを提供し、また必要な環境を整えることで「フランス古典演劇のレパートリー化プロジェクト」を構築することを目指している。この3年間で「プロジェクト」の障害となりうる諸問題を調査・研究し成果を得たが、研究成果の概要は主に次の通りである。○18世紀フランスの喜劇作家マリヴォーの喜劇『コロニー』(La Colonie)、『恋のサプライズ2』(La Seconde surprise de l'amour)の"現代語"翻訳台本を制作し、インターネット上に掲載した。○現代の演劇実践に適応した新たな古典劇翻訳メソッドを構築した。○勉強会やワークショップを通して、日本の演劇人や高校・大学生を対象に"現代語訳"フランス古典劇の普及活動を行った。○フランス古典演劇の現状を調査・研究し、「プロジェクト」構築の参考となる成果を得た。
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