本研究の目的は、国内外の図書館および博物館に収蔵される中国の碑帖拓本について、書誌の標準化、目録化を図り、拓本資料を広く活用するための基盤を整理することにある。三か年の研究の結果、拓本の書誌の標準化には「日本目録規則」およびNACSIS-CATに極力準拠し、それらとの整合を図りつつ「中文拓片編目規則」の成果を導入するのが、現在最も有効であることを導いた。また、法帖のデータベースを構築するに際し、偽刻・翻刻の鑑別についても、具体例によって一定の方法論が明示できた。今後、この成果を踏まえ、拓本の目録化に向けて更に検討を重ねたい。
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