研究概要 |
1. 意味推測過程観察調査のための調査材料作成を行った。 「非漢字圏日本語学習による漢字語の意味の推測過程についての縦断的研究」(萌芽研究19652047平成19~21年度)で収集された事例をもとに,以下の調査材料を選択・作成した。 (1) 漢字2字からなる漢字熟語(以後,漢字語とする) 意味の誤推測の多かったものを中心とする,意味の透明性の低い漢字語で,漢字語を構成する漢字が既知の可能性の高い漢字語。 (2) (1)が含まれる短文:品詞の特定,意味範囲の限定に役立つ情報が少ない文 (3) (1)が含まれる短文:品詞の特定,意味範囲の限定に役立つ情報が多い文 これらの調査材料は,来年度行う予定の非漢字系日本語学習者を対象とした意味推測過程観察調査の材料である。(2)(3)の文については特に十分に吟味する必要があり,予備的に非漢字系学習者のコメントなどを得て改訂を行っている。 2. 「漢字熟語の意味の透明性調査」のための材料選定を行った。 調査材料の対象となる漢字語選択は以下のデータを参考とした。 (4) 「非漢字圏日本語学習による漢字語の意味の推測過程についての縦断的研究」(萌芽研究19652047平成19~21年度)で収集された,意味の誤推測が起きやすい漢字語 (5) 初級用漢字教材中で,透明性が高いものとして紹介されている漢字語 (6) 国語学の漢字熟語の語構成に関する研究結果 その他,非漢字系日本語学習者対象の漢字の意味推測関連論文を収集し,そこで調査材料として扱われている漢字語も対象とした。
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