研究概要 |
本研究は、超音波エコー装置を用いて、外国語発音教育の改善に向けた効果的な指導方法を提案するものである。すなわち、超音波エコー画像という視覚的な情報が発音を修正するのか、を研究目的とし、2種類の実験を行った。 [実験1]日本人英語学習者にとって発音が困難とされる英語母音[&]より始まる単語を正確に発音しているのか、また、超音波エコー画像による訓練効果はあるのか、を検証した。 刺激単語:add-sad,amp-samp,ax-sax,など 実験結果:(1)訓練前英語母音[&]に関し、日本人英語学習者は正確には発音できなかった。 (2)超音波エコー画像と2台のビデオカメラ映像により、オンラインで自らの舌の位置を確認しながら、発音訓練をした結果、口が横に広がり、正しい音を出すことができた。 [実験2]有声子音と無声子音を実験材料とし、超音波エコー装置を用いた音声トレーニングが効果的かを調べた。 刺激単語:coat-goat,curl-girlなど 実験結果:音声トレーニングにより、舌の位置が後方に移動し、正確な発音に変化した。 以上のように、超音波エコー装置とビデオカメラ2台(正面用、真横用)を使用することにより、音声矯正は可能であることが判明した。今後は、教室の現場に、超音波エコー装置を持ち込み、各学習者に使用させることが必要となろう。また、頭の動きに伴う、各画像のズレを補正するプログラミングを作成し、より正確な画像処理が求められる。
|