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2010 年度 実績報告書

PEG含浸処理された木質文化財の正確な炭素14年代測定

研究課題

研究課題/領域番号 22652072
研究機関名古屋大学

研究代表者

中村 俊夫  名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)

研究分担者 山田 哲也  元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80261212)
中村 晋也  金沢学院大学, 美術文化学部, 准教授 (10301003)
キーワード木質文化財 / 考古学資料 / 放射性炭素年代 / 保存処理 / PEG / 13C-NMR法 / 熱分解GC/MS法 / アクリル樹脂
研究概要

縄文遺跡から出土したクリ材を用いて,縁辺部の同一年輪を共有するブロックから30x30x10mm3の木片を複数個切り出し,一部に100%のPEG(三洋化成,PEG-4000S)溶液を含浸させた.含浸木片,非含浸木片について,通常の酸-アルカリ-酸(AAA)の洗浄処理を行ったのち14C年代測定を実施した.さらに含浸木片については,AAA処理を行った後,さらに三つの異なった方法(蒸留水,アセトン,ベンゼン)で長時間洗浄処理を行ったのち14C年代測定を実施した.含浸木片の14C年代値は,いずれも非含浸木片の値よりも150年から200年古くなっている.これは,PEGが木片中に残留しており,14Cを含まないPEGの炭素の寄与による.4種類の洗浄方法をみると,AAA処理とベンゼン追加処理の2種類(PEG残留率:2.6%)はほとんど14C年代が一致する.この2種類に比べて,蒸留水またはアセトン追加洗浄(PEG残留率:1.7-2.0%)の方がPEGは除去されやすい事が示された.
このように14C年代を測定することによりPEGの残留の程度が判るが,もっと簡便に残留PEG量を調べる方法として13C-NMR法を用いることを検討した.しかし,PEGの化学的性質から,13C-NMR法を適用するための試料の設置方法に難点が生じ,替わってガスクロマトグラフ・質量分析(GC/MS)法を試みたところ,PEGの検出が可能であることが明らかとなった.次年度は,このGC/MS法により,残留PEGの定量化を行い,PEGを完全に除去する洗浄方法を検討する.
また,アクリル樹脂で処理された試料は,アセトンを用いてほぼ完全にアクリル樹脂を除去できること,数年間をエタノール溶液に浸して保存されていた植物では,AAAの前処理を行うことで,エタノールの炭素による14C年代のずれは検出されないことを明らかにした.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] PEG含浸木材のGC/MSによる残存PEG測定2011

    • 著者名/発表者名
      西本寛
    • 雑誌名

      名古屋大学加速器質量分析計業績報告書

      巻: 22 ページ: 94-98

  • [雑誌論文] エタノール溶液で保存した植物遺体の^<14>C年代測定について-^<14>C年代に与える影響の有無に関する比較実験-2011

    • 著者名/発表者名
      工藤雄一郎
    • 雑誌名

      植生史研究

      巻: 18(2) ページ: 77-81

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 茶すり山古墳から出土した漆膜と鉄器の14C年代測定.2010

    • 著者名/発表者名
      松本佳納
    • 雑誌名

      自然科学編,一般国道483号北近畿豊岡自動車道春日和田山道路II建設に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書

      巻: 7 ページ: 129-136

  • [学会発表] The detection of PEG using GC/MS for AMS radiocarbon dating of preserved wood2011

    • 著者名/発表者名
      H.Nishimoto
    • 学会等名
      12^<th> International Conference on Accelerator Mass Spectrometry
    • 発表場所
      Te Papa Museum, Wellington, New Zealand
    • 年月日
      20110320-20110325
  • [学会発表] PEG含浸木材のGC/MSによる残存PEG測定2011

    • 著者名/発表者名
      西本寛・中村晋也・中村俊夫
    • 学会等名
      第23回名古屋大学年代測定総合研究センターシンポジウム
    • 発表場所
      名古屋大学野依記念学術交流館
    • 年月日
      20110113-14

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公開日: 2012-07-19  

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