ニアセン教団は、 1930 年代にウォロフの学者イブラヒマ・ニアスによって、 イスラーム神秘主義教団ティジャーニー教団のブランチとして、セネガルのサールム地方で成立した。ニアセン教団は、サールム地方の多数派であるセレールの間に多くの信徒を持つと同時に、ナイジェリア、モーリタニアなど西アフリカ諸国に多くの信徒を持つ。国内のセレールにとってニアセン教団は、彼らのエスニシティを汲み上げてイスラームの領域の中で維持するという側面と、彼らを、人種、民族、国境を超越した世界市民的なイスラーム共同体という普遍性に向かって開くという 2 つの対極的な機能を持つ。世界市民の意識はおそらく、ニアセン教団独自のタルビーヤによって信徒にもたらされる、この世のすべては神の光であり、自己と他者の区別はないという意識を土台とするのではないかと考えられる。
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