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2010 年度 実績報告書

「満」独関係と阿片

研究課題

研究課題/領域番号 22653020
研究機関九州大学

研究代表者

熊野 直樹  九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (50264007)

キーワード「満洲国」 / ナチス・ドイツ / 阿片 / モルヒネ / 「満」独通商協定 / 第二次世界大戦 / 封鎖突破船 / Uボート
研究概要

平成22年度は、主に「満」独通商協定に至る政治過程並びに「満」独間の阿片貿易に関する史料の調査・発掘に取り組んだ。その結果、長年探し求めていたナチス・ドイツの阿片政策並びに「満」独間の阿片貿易に関する極めて重要な独語史料を発掘できたことは、当該年度における最大の研究成果であった。この史料は従来全く知られていなかったものである。これによって、研究上知られていなかった「満」独間の阿片貿易に関するナチス・ドイツ側の責任者が判明するとともに、第4次「満」独通商協定に基づいて実際に「満洲国」からナチス・ドイツへ第二次世界大戦末期においても、阿片がUボートによって輸送されていた事実が明らかになった。その際、「満洲国」産阿片を取り扱っていたドイツ企業、阿片の交易ルート、実際に取引された阿片の量が判明した。さらには、「満」独阿片貿易では、日本が介在しており、その日本側の省庁やその責任者が明らかになった点もまた大きな収穫であった。また、日「満」の密輸ルートを解明する史料をも収集できたことは、第二次世界大戦における日「満」独の阿片三角貿易の存在を示唆するもので重要である。さらに、ナチス・ドイツが阿片から製造したモルヒネをスコポラミンと混合し、それを安楽死やジェノサイドに使用していたこともまた判明した。当該年度は、史料の発掘、新史実の発見という意味で大変有意義であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 書評・松井康浩編『20世紀ロシア史と日露関係の展望』2010

    • 著者名/発表者名
      熊野直樹
    • 雑誌名

      西洋史学論集

      巻: 48号 ページ: 153-157

    • 査読あり
  • [学会発表] 膠州(青島)土地法規と近代ドイツの土地政策2011

    • 著者名/発表者名
      熊野直樹
    • 学会等名
      西日本ドイツ現代史学会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2011-03-30

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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