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2011 年度 実績報告書

イギリス18世紀における勤労育成思想の体系的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22653026
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

生越 利昭  兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (30094527)

キーワード技術改良 / 実務教育 / ボウルトン・ワット商会 / ルナー協会 / 分業労働 / 科学的情報 / 非国教徒信仰 / 産業革命
研究概要

2011年8月15日から9月15日まで、オランダと連合王国において、「勤労育成思想」についての歴史資料を検索し収集した。これにより、17世紀から18世紀にかけてのオランダ東インド会社を中核とした企業活動がイギリスの勤労育成思想に大きな影響を及ぼしたことを明らかにした。また、連合王国のオックスフォードおよびグラスゴウを拠点に、産業革命期の労働者雇用と企業活動に関する詳細な文献資料を収集し、その分析により、スコットランドにおいて勤労重視の思想が早くから見られ、それがイングランドの動きと連動し、特にバーミンガム地域において企業家と労働者との相互協力体制が推進され、両者に共通する「勤労」重視の思想が展開されていた実態を明らかにした。また、広範な地域において企業家の技術改良や近代的経営方式を推進する力となった、企業家自身の能力形成と知的ネットワークおよび勤労の実態を明らかにした。さらに、この時期の企業家層の大半が、勤勉と倹約の倫理を実践していたが、その中核が英国教会制度から排斥された非国教徒信仰によって支えられていたことも明らかにした。こうした研究成果により、本研究の目的である「勤労」概念の具体的内容と、企業家と労働者に共通に見られる勤労の実態が解明され、イギリス産業発展史における勤労の中核的な役割を基軸にした新たな歴史解釈への展望が開けた。これに関連して、17~18世紀における勤労思想の変遷過程について研究報告をし、さらに論文として発表した。本研究課題を多くの研究者を加えた共同研究に広げるために、2011年10月1日と2012年1月29日の二回「勤労育成思想研究会」を主宰し、多数の出席を得、各回3人の報告者と同数のコメンテーターにより、活発な討論を展開し、共通認識を深めた。研究代表者はここで趣旨説明と報告・コメントを行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 経済学形成期における労働=生産思想-2012

    • 著者名/発表者名
      生越利昭
    • 雑誌名

      商大論集(兵庫県立大学)

      巻: 0 ページ: 47-83

    • DOI

      Adobe Acrobat Document (.pdf)

  • [学会発表] 産業革命期における勤労育成の問題-マシュー・ボウルトンの活動-2012

    • 著者名/発表者名
      生越利昭
    • 学会等名
      第2回勤労育成思想研究会
    • 発表場所
      兵庫県立大学・淡水クラブ(兵庫県)
    • 年月日
      2012-01-29
  • [学会発表] 経済学形成期における労働観の変化2011

    • 著者名/発表者名
      生越利昭
    • 学会等名
      経済学史学会第75回全国大会
    • 発表場所
      京都大学(京都府)
    • 年月日
      2011-11-05

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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