1. データの収集 中国、インド、インドネシアについて2000年以後の分析用データ(産業連関表、家計調査、マクロ経済データ)、韓国については1980年代、日本については1960年代の類似のデータを収集した。 2. 中国とインドについてのデータ分析と文献サーベイ 収集したデータを参照して、所得水準、消費構造、生産構造、投資源泉について2000年以後の変化とこれらの間の連関関係について予備的分析を行った。また、経済発展過程における中間層の出現の現状と経済への影響について、中国・インドのケース・スタディーを中心に、文献研究サーベイを行った。特に中国については中国語文献の収集も試みたが、注目すべきものは少なかった。 3. 中国の現地調査 中間層の現状を理解するために、中国の北京と上海においてフィールド調査を行った。調査対象は中間層の出現と共に拡大するコンビニ、スーパー、住宅販売、自動車販売、観光業などであり、統計で把握できない実態が理解できた。また中間層の出現と内需主導型発展のメカニズムについての仮説を中国の清華大学、上海対外貿易学院、上海社会科学員などの研究者に提示し、検討を行った。特に中間層の定義が問題となった。 4. 以上のデータの利用可能性の検討、予備的研究、現地研究者との意見交換とフィールド調査にもとづき、具体的な計量分析の方法について研究計画を固めた。
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