研究課題/領域番号 |
22653041
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
渡辺 真一郎 筑波大学, システム情報系, 教授 (50282330)
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研究分担者 |
金澤 雄一郎 筑波大学, システム情報系, 教授 (50233854)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 個人‐職務フィット / 職務満足 / 治療的コミュニケーション / 患者満足 / 協調性 / 外向性 / 親和欲求 |
研究概要 |
平成24年度は主として個人‐職務フィットが職務満足に及ぼす影響を扱った。調査対象はわが国の某医療機関に勤務する日本人ナースとカナダの医療機関に勤務するカナダ人ナースであった。日本人ナースの平均年齢と勤続年数はそれぞれ30.09歳、95.3ヶ月であり、カナダ人ナースは33.16歳と81.89ヶ月であった。調査の結果、以下の3点が明らかとなった:(1)カナダ人ナースは、日本人ナースと比較し、職務満足が有意に高い;(2)両国のナースにとって、個人-職務フィットは職務満足度と正に連関している;(3)両国のナースにとって、年齢や勤続年数等の時間変数は職務満足に影響し得ない。(1)に見られる両国間の差異は、中庸を良しとする日本の「集団主義的文化」と達成を重視するカナダの「個人主義的文化」の相違によるものだと思われる。(2)については産業組織心理学の理論が文化の差を越えて妥当であることを示すものと言える。そして(3)については産業組織心理学理論がすべての職業を通じて普遍的に妥当とは言えないことを示唆する。看護師としての経験年数は、転職と正に連関するとされる職務満足ではなく、職業満足と連関しているのかもしれないという新たな仮説を抱くに至った。 また、心理学的個人差変数(親和欲求、外向性、協調性)が看護師の治療的コミュニケーションと患者満足に及ぼす影響に関する研究を行った。その結果、共感性、寛容性、愛他性等によって特徴付けられる協調性が治療的コミュニケーション・スキルを高め、そしてこのスキルが患者満足に正の影響を与えることが明らかとなった。一方、外向性と親和欲求にはこのような効果が見られなかった。 今後は、常にチームで職務を遂行する看護師の「チームワーク」、及び看護師が患者・医師・薬剤師・介護者等と相互作用する際に経験する「感情労働」が看護師の職務行動に及ぼす影響について研究していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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