これまでにおこなってきたパイロット研究の結果を踏まえて、研究の分析枠組を完成させるように尽力した。年間を通じて、特に連携研究者、海外研究協力者との連携、情報交換を図り広範な知見を得ることに注力してきた。・(連携研究者:明星大学・橋本英重、ゴールデンゲート大学・アン・スミス、研究協力者:キース・ドロター、クリススタ・マイケルズ、パリ商科学院:パトリック・ジャーマン・トーマス)定性調査、国内外での資料収集により、ロシア芸術団体のグローバル・パートナーシップのダイナミズムについて、試論的な理論構築を行うために調査研究を遂行してきた。 具体的には、特にバレエ・リュスの活動が与えた国際的な影響に着目し、プロデューサーであったゲルギエフのマネジメントについての資料収集・情報収集が大きな研究成果につながっている。パリのパトリック・ジャーマン・トーマス教授は、フランスにおける舞台芸術マネジメントについて博士論文を提出したばかりであり、最先端の情報を交換することが可能となった。また、ヨーロッパでのオペラやシルクドゥソレイユなど、ロシアの舞台芸術は国際的に多くの影響と貢献をもたらしている。これを検証することで、ロシアの芸術団体の持つ特異性がもたらすグローバルな活動について、新たな研究課題を発見することができた。 なお、本萌芽研究での結果は、今後発展した研究へと継続することで、一層の精緻化を図ることを目指す。今回の研究で得た人脈を頼りとし、国内外の連携協力者、研究協力者との連携のもとで、国際的実務的視点から研究を推進していく。
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