研究概要 |
本研究で提案するライフパタン研究は,大規模な量的調査データを用いて,個人の各ライフステージでの生活,志向性,価値観などの変遷を時系列的に追い,いくつかのパタン化を試みようとするものである。この研究では,幅広い年齢層のサンプルが必要であり,かつ時系列の変化を検討するためにパネル調査も必要となる。この挑戦的萌芽研究においては,基本となる調査票を設計し,サンプル調査を行い,今後継続して進めていく調査の原型を作成する。 本年度は,昨年度に行った資料収集と検討を基にして,主に組織に働く人々とその家族を対象に,各ライフステージでの仕事・家庭・自由時間などに関する生活様式,志向性などを検討するための調査票の設計を行った。ライフパタン研究会およびその分科会にて,設問設計や調査に関する議論・検討を重ね,ライフパタン調査の基礎となる予備調査票を完成させた。 完成した調査票には,自由時間における活動領域(平日・休日・将来),主に誰とその活動を行うのか,その活動にはどのような意味があるか,家庭生活おける活動領域とその機能的意味などの項目が含まれている。サンプルは社団法人国際経済労働研究所の協力を得て,各産業の労働組合を通じて20歳代から定年退職前までの幅広い勤労者対象に調査票を配布し,勤労者およびその家族から収集した。また,関西および関東の大学での授業を通じてサンプル収集を呼びかけ,大学生の家族や近親者からも協力を得た。その結果,800部以上の回収を得て,現在,収集継続中である。また,自由時間領域,家庭領域以外の仕事領域についても国際経済労働研究所を通じて調査を行った。
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