本年度は,ライフパタン調査の基礎となる予備調査票の分析・検討を経て,本調査票の設計を行い、調査を実施した。予備調査は社団法人国際経済労働研究所の協力を得て,各産業の企業の労働組合を通じて20歳代から定年退職前までの幅広い年代層の勤労者対象に調査票を配布・回収した。加えて,ライフパタン研究会に所属する各研究者が所属する大学でも授業を通じてサンプル収集を呼びかけ,大学生の家族や近親者から協力を得て,計約1000件のデータを収集した。 予備調査票は主に ① 仕事・職業生活領域,② 家族・家庭生活域,③ 余暇・自由時間領域(第三領域)の3つの領域に分かれている。そのうち、特に超高齢化社会において焦点が当てられる③の第三領域について,各種調査を参考に自由時間の過ごし方(活動)を網羅的に尋ねたものを因子分析によって29カテゴリに分類し,命名を行った。これによって多くの人が行っている自由時間の過ごし方のパタンが整理され,年代によってどのような自由時間の過ごし方が多く、生活充実度が高いのかなどの検討も行った。 本調査に向けては労働組合や企業などの実務家を交えての議論・検討や、研究者間でのライフパタン研究会や分科会を定期的に実施し,本調査票を構成する項目の決定を行った。最終的な調査票には、仕事での働きがいや満足度,ストレス,生活意識,キャリアと会社とのかかわり,送りたい人生のスタイル、家庭生活の楽しさの程度,家庭内の家事および役割分担,家事や家庭における役割の内発-外発性,自由時間の過ごし方(169項目)とその重要度など,およそ300項目が含まれている。この本調査票は2013年3月に企業に働く社会人対象に配布・回収が行われ,今後,継続して分析・検討を行う予定である。
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