研究課題/領域番号 |
22653060
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
秦 かおり 立教大学, 外国語学部, 講師 (50287801)
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研究分担者 |
井出 里咲子 筑波大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (80344844)
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キーワード | ナラティブ研究 / 日本人女性 / 出産・育児体験談 / 語用論 / 言語人類学 / 女性とことば / 社会言語学 |
研究概要 |
本研究の目的は、子どもを産み育てやすい女性あるいは社会の意識環境を模索し、一つの社会的目標達成のために多分野の研究者が連携するモデルケースを示す事である。本年度は三つの柱(国内外に在住する出産育児を体験した日本人女性へのインタビュー調査;プロジェクトチームによる分析と考察;データベース化を見据えた調査結果の電子処理)を中心とした研究実施計画を遂行した。 第一に、インタビュー調査は国内外各20名の目標に対し、英国29名、国内18名(茨城県8名、栃木県10名)、合計47名の調査を実施しており、目標を達成した。 第二にプロジェクトチームによる分析と考察については、井出里咲子(筑波大学)、岡本多香子(日本女子大学)、秦かおり(立教大学)による研究会を重ね、2010年9月には社会言語科学会において岡本が恩恵表現を中心に発表、続いてInternational Gender and Language Associationではチームでパネルを企画、発表した。また、2011年1月には秦が英国調査結果を論文にし、同3月の社会言語科学会研究発表論文集では秦と岡本が調査結果の分析を執筆している。英国調査では、育児分担の平等性や、制度や設備に依らない個人の規範意識の徹底による子育て支援が母としての自己肯定感を生み出す土壌になると考察した。一方、国内農村地域の考察では、働き手としての役割に追われ子育ての主体者になれない社会規範の中で苦悩する母の自己否定と自己肯定のジレンマを描き出した。本研究では、この「母としての自己肯定感の獲得」を「子どもを産み育てやすい女性あるいは社会の意識環境」が整う鍵として捉え、更に研究を継続する。 第三に調査結果の電子処理については、約8割のスクリプト化及び電子処理、ホームページの構築が終了、公開への土台を作り上げた。 以上、本年度の研究実施計画は、全て計画通り遂行した事を報告する。
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