まず初めに、商業エンターテインメントとしての戦争ゲーム、戦闘シミュレーションと実在する政治的論議との関係を調査した。この準備のため、この重要な議題の今後の議論につながるであろう、健全な論理的ひな型を構築できたと考える。調査の一環として、ヨーロッパ、アジア、北米、中南米各地の学術者、ワシントンの軍事関係者及び政府広報担当者、ゲーム産業の開発者、first person shootersの顧問でもある将校にインタビューを敢行した。 さらに、数週間のVirtual Army Experienceをアメリカ東海岸で体験した。インタビューのほか、同考察に基づく2つの論文を作成し、3つの国際会議(オークランドのOCIS、テキサス州オースティンのCold War Cultures、そしてモントリオールのISA)と1つの国内での会議にて発表した。また、所属大学にて、クィーンズランド大学、オーストラリア国立大学、ジョージア大学より講演者を招聘し、War2.0と銘打った大規模なワークショップを開催した。 本調査の初年度で、軍をテーマにした戦争ゲームは、単に現実社会と政治理論を形作る方法を反映するにとどまらず、事実、社会での効力を正常化するものとして、戦争の生政治の過程は不可欠なものであるということが明らかになった。
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