研究課題/領域番号 |
22653062
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
MANTELLO Peter・A 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (10454977)
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キーワード | interactive / media / conflict / videogames / war / terror / algorithm / legitimacy |
研究概要 |
2011年は、現実と想像の世界、民族国家と市場国家、西洋と非西洋の間の戦闘の場としての特殊部隊のビデオゲームのレンズを通して、テロとの戦いと思慮深い戦争の米国の対応戦略を調査した。主流派の媒体は思慮深い戦争に対する敬意を高めている一方で、私は秘密の力による解決策を許容可能な国策として正当化し、取り入れようとする参加型妥協点をもたらすことにより、特殊部隊射手がさらに一歩先に進むことを発見した。本研究の目的は特殊部隊射手の美学と政治が主語性と主権の枠組みを形作り、構築し、合法化されるさまざまな方法を分析することであった。テロとの戦いの政治的検証と米国の対応戦略に密接に関わるようになった。 LA、サンディエゴ、ニューヨーク、ワシントンでのフィールド調査に加え、メディア研究および国際関係においてトップクラスの雑誌での出版活動に時間を費やした。2011年、フィールド調査のため米国へ2回目の訪問をした。米軍兵士に超現実的訓練を行う在サンディエゴのStrategic Operationsと呼ばれる場所での調査から開始した。Strategic Operationsは、ファースト・パーソン・シューター・ビデオゲームの実際に体験できるものを兵士に提供し、ハリウッドレベルの臨場感あふれる場所を創り出す。戦略では、爆発、民間人と武装勢力を演じるイラクとアフガニスタンのエクストラとともに、中東を舞台に巨大な映画セットが作成される。第二に米陸軍のためのシリアスな軍事ゲームをデザインするクリエイティブ・テクノロジー研究所に調査を行った。第三に米空軍の防衛請負業者の貿易展示会のため、ワシントンDCに行って戦争とサイバー戦争のための本物の武器や防衛システムを作るためにビデオゲームの技術を使用する企業や組織、およびシンクタンク「アメリカン・エンタープライズ・インスティチュート」において調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は予定通り進んでいる。当初の計画はほぼ実行した。多くのインタヴューを行い、2012年に2つの論文が代表的ジャーナルで発表される。まず、「Media,War and Conflict(USC Annenberg,Sage Publications)」で出版される。次に、この分野において高い評価を受けている「Australian Journal of International Affatrs」の特別版として出版される。特別版への寄稿者は国際的に認知されるので非常に満足している。特に、私はメディア制作現場の出身であり、初の学術出版だったことを考慮すると大変満足である。 これに加え、私の研究提案した双方向型ウェブサイト「THEVISIONMACHINE」は非常に良い形になってきた。第4に、本研究用の双方向プラットフォームに取り組んできた。「Vision Machine」と呼ばれるサイト(thevisionmachine.com)は、国際関係、コミュニケーション、メディア制作を扱い、戦争、平和、メディアの問題を検証する。このサイトは3つの点にフォーカスする。第1点目は歴史で、黎明期のパノラマと写真から、ソーシャルメディアの今日の姿まで、植民地の帝国、メディア企業帝国の二重の発展に着目する。第2点目は理論で、古典的、批判的理論を用い、政治的、文化的、経済的格闘との結びつきとしてのメディアを検証する。第3点目は実践で、研究を発信し、ディベートを起こし、社会の意識を高めるマイクロドキュメンタリーや隔週発刊のpod/vodcasts、ソーシャルメディアのようなメディア制作を用いる。「Vision Machine」の最終目標は、学術的対話において、情報をより深く発信し、かつ時事問題や大衆に応答できる最新鋭のプラットフォームを作ることである。
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今後の研究の推進方策 |
戦争、メディア、政治の複雑な関係について広い見識を得た。さらに「正義の」戦争と操作する国と、国民へのITの影響力について深い理解を得た。次のプロジェクトは新しいメディアと戦争の関係だけでなく、消費の政治が10年を超えた不透明なテロとの戦いで、物質文明、市民権、新興国の役割にどう介入してくるかについてより広い分野を扱う。
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