研究課題/領域番号 |
22653063
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大場 伸也 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (80221836)
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研究分担者 |
菊池 啓子 中部学院大学, 短期大学部, 准教授 (70369528)
山岡 由美 中部学院大学, 人間福祉学部, 講師 (30410442)
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キーワード | 障害者 / 農業 / 雇用 / 就労支援 / 農業経営 |
研究概要 |
社会福祉事業所の多くで農業を授産手段とした各種活動が展開している。また近年、経営を主体とした生産農場でも障害者の雇用に積極的に取り組む動きがある。本研究では、農業関連分野での知的障害者の就労の可能性を検討するために、福祉関連施設での農業活動と、農業生産場面での障害者雇用の実態調査を行い、さらに大学農場での作業実験を行った。平成22年度は、障害者福祉施設での農業指導の実態調査として、全国約1300事業所に対してアンケート調査を行い、また大学農場での障害者の作業能力の評価を行った。また、デンマークでの障害者の雇用の在り方についても調査を行った。 その結果、アンケート調査では、障害者福祉施設の多くで農業に取り組んでいるが収益性は低く、一方食品加工に取り組むことで収益を向上させている姿が分かった。また、生産活動にあたって怪我などのリスクをどのように管理しているかを調べたところ、障害者の自立を目指すうえで積極的に様々な仕事に挑戦しようとする施設やリスクに対して高い管理で対処する施設があり、対応が分かれていた。大学農場での障害者の農作業に関しての調査では、個々人によって作業の習熟度の獲得速度が異なり、また適不適もはっきりしている場合があり、個人ごとの仕事の見極めが重要であることが分かった。デンマークでの調査では、個人事業者や健常者のグループ内での障害者雇用が進められており、家族経営的な農業場面でも雇用を確保できる可能性が認めら得た。
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