研究課題/領域番号 |
22653067
|
研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
立石 宏昭 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (10352014)
|
研究分担者 |
倉知 延章 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (10364697)
|
キーワード | 精神保健福祉 / 就労支援 / IPS |
研究概要 |
わが国では、ジョブコーチによる職場での集中的支援や訪問看護サービスの利用などを含めた訪問による支援が行われているが、IPSプログラムの効果を鑑みたとき、既存の制度やアプローチと並存させた多様な就労支援のメニューの一つとして検討する意義は高いと考える。本年度は、IPSの考え方を取り入れた就労支援と生活支援、さらに医療までも一体的に提供する就労支援モデル化を目指して支援プログラムに取り入れるべき要素を抽出を目指した。その結果、月曜日から金曜日まで午前と午後にそれぞれAプログラム、Bプログラムを作成した。試験的に作成したプログラムは、月曜日(生活技能講座、就労作業実習、ビジネスマナー講座)、火曜日(パソコン講座A、職業レディネス講座、就労作業実習、パソコン講座B1)、水曜日(就職基礎講座、体力づくり、個別面接)、木曜日(清掃管理講座、ビジネスマナー講座、パソコン講座B2、パソコン講座B3)、金曜日(心理教育講座、SST、就労作業実習、体力作り)である。 また、利用者の心理的変化を測定するため、パイロットスタディーとして、利用者の1ヵ月間の振り返り期間に対する評価を他者による客観性を持ってデータ収集することにした。そこで、「SF-36v2スタンダード版(振り返り期間が1ヶ月間)」を採用することにした。また、分析は、就労支援におけるアンカーポイントとして、ステージ1(就労準備)、ステージ2(求職活動)、ステージ3(フォローアップ)を設定した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SF-36v2の指標は、8つの健康概念である①身体機能(Physical functioning)PF、②日常役割機能(身体) (Role physical)RP、③身体の痛み(Bodily pain)BP,④全体的健康感(General health perceptions)GH、⑤活力(Vitality)VT、⑥社会生活機能(Social functioning)SF、⑦日常役割機能(精神)(Role emotional)RE、⑧心の健康(Mental health)MHの36項目から成り立っている。そこで、スコアリング方法は、36項目それぞれを素点として0~100点のスケールに換算し、NBSとの偏差得点で解釈する方法(norm-based interpretation guideline)をとった。この健康管理QOL尺度を用い、利用者の就労に向けた変化を個別支援計画の参考値として利用した。
|
今後の研究の推進方策 |
SF-36v2日本語版に関する権利のすべては、Medical Outcomes Trust(MOT)、 the Health Assesment Lab(HAL)、Quality Metric Incorporated Fukuhara Sが保持し、特定非営利活動法人健康医療評価研究機構(iHope International)が申請受理、配布に関する業務を独占的に行う版権者であるため、SFツール(質問紙(調査票)、スコアリングアルゴリズム、国民標準値など)の使用契約を行う。 また、アンカーポイントをどの地点に置くのかを実践現場のスタッフと打ち合わせ決定する。さらに、試験的に実施しているプログラムの完成を目指す。
|