精神障害者就労移行支援事業所の利用者のQOLを測定するため「MOS36-Item Short-Form Health Survey;SF-36」を用い健康関連QOLを測定した。この指標は、科学的な信頼性・妥当性を持つ尺度として米国で作成され、概念構造の段階から心理計量学的な検定に至るまで十分な検討を経て作成されたものである。調査にあたっては、ステージ1(利用開始時)、ステージ2(就職活動開始時)、ステージ3(就職2週間後)、ステージ4(就職2ヶ月後)、ステージ5(就職5ヶ月後)、ステージ6(就職8ヶ月後)、ステージ7(就職11ヶ月後)というアンカーポイントを設けた。調査期間は、平成24年7月から平成25年1月までで、対象者は19人、調査実施回数は47回である。その結果、①ジョブコーチの個別就労支援技術の重要性、②職場開拓における利用者と仕事及び職場環境とのマッチング、③利用者の長所に着目した職場の理解が就労を継続する要素となっていることが明らかになった。そこで、授産活動を廃止し、職業生活に必要な技能に関するプログラムとしての「体力づくり講座」・「余暇講座」・「ストレッチ・リラクゼーション講座」・「心理教育講座」・「生活技術講座」、職業生活維持に関するプログラムとしての「ビジネスマナー講座」・「アサーション講座」、就職活動の技能に関するプログラムとしての「就職活動講座」、仕事の技能に関するプログラムとしての「パソコン講座」・「清掃管理講座」・「企画事務講座」、その他「職場体験」の各プログラムを開発した。
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