研究課題/領域番号 |
22653100
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
金子 満 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (10513161)
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研究分担者 |
高谷 哲也 鹿児島大学, 教育学部, 講師 (00464595)
江頭 智宏 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (40403927)
和田 七洋 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (30513155)
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キーワード | 教育評価 / 地域の教育力 |
研究概要 |
本研究は「我が地域の教育力」の具現化を目指すことを命題としつつ、その手法としての評価活動の重要性を指摘しており、評価活動における「可視化」と「共有化」がいかに地域の構成員の主体的な活動につながっていくかというダイナミズムを明らかにした研究である。本研究の着眼点や分析の手法は最終的に「我が地域の教育力」の具現化につながるものである。まず、KJ法を活用し、研究対象である鹿屋市串良町の将来像をイメージし、その課題を焦点化させ、具体的な活動について考察するという手法により、普段の会話で整理されなかった思いや考えが、カラフルな付箋紙と共に、具体的な文字として表現され可視化されたことにより、構成員全員に共有化されることとなった。また具体的なデーマを焦点化させ、10点満点を到達点とし、現状を個々の構成員の自己評価によって可視化し、その点数の意義を構成員同士でシェアリングし、まとめる作業をとおして共有化されることにより、次回の活動内容の決定と目標地の設定という主体的かつ具体的な活動が展開している点が指摘される。 また、インタビュー法を活用することにより、自身の成長を可視化し、その結果、より系統立てた取り組みへのイメージが可能となった点や活動を先導してきた構成員と新しく参加した構成員の発達や成長の過程の違いや、活動を継続していくことによる悩みや課題発見のプロセスが構成員自身のみならず、他の構成員とも共有することが出来る点が指摘される。「我が地域の教育力」とは、地域の諸活動を通して、個々人の成長を本人だけでなく、周りの人たちと共に確認(可視化)し、そして共感(共有化)しながら、共に影響を与え合いつつ構成されていくものであると考える。そこには、知識のあるものや経験のあるものから無いものへの伝達や単純な右肩上がりの成長・発展だけでなく、継続し、共に成長し、時には維持していくものもあることを再確認しながら形成されていくものではないかと考察する。本研究は、そのための手法に関する分析であったといえる。
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