研究課題/領域番号 |
22653103
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研究機関 | 公立大学法人山形県立米沢女子短期大学 |
研究代表者 |
川越 有見子 公立大学法人山形県立米沢女子短期大学, 健康栄養学科, 准教授 (20425341)
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キーワード | 教育学 / カリキュラム / 栄養教諭養成 / 食育 |
研究概要 |
全国の栄養教諭養成大学のカリキュラムとシラバスの分析・整理の結果から、先進的栄養教諭養成大学への調査を行い、栄養教諭養成の資質形成の在り方を追求した。調査資料は、シラバス、時間割、学生便覧、履修の手引、栄養教育実習資料、栄養教諭養成マニュアル等を収集し分析整理し、さらに先進的な栄養教諭養成を展開している大学のカリキュラムについて分析した。その結果、カリキュラムには3つの類型があり、基本パターンに対して、類型Iは、教育力を備えた養成である「教職教養科目・家政学的教養重視型」、類型IIは、実践力を備えた養成である「調理健康系知識・技能重視型」、類型IIIは栄養士力を備えた「栄養士養成の知識・技能・実習重視型」に分類することができた。実態調査と厚生労働省の見解をふまえて栄養教諭に必要な資質を「教育力」「実践力」「栄養士力」と位置付けた。この3つの資質をすべて身につけることが栄養教諭としての資質を高めることにはなるが、大学のカリキュラム構成を見る限り基礎的資質を作ることが基本である。実態調査を通して明らかになったことは、教育現場の栄養教諭はマネジメント能力が求められているという事実であるが、現状のカリキュラムから教育現場が求める「マネジメント能力」を養成することは行われておらず、それぞれの大学の理念や使命によってカリキュラム構成が異なる特徴を示していた。今回の調査で先進的な特徴を持つ栄養教諭養成カリキュラムを設定している大学を3つの類型で報告したが、この他の大学でも共通の課題が生じている。大学の独自性をカリキュラムの中で示すことにより、科目設定が多くなってしまう。学生の負担を軽減する設定を目指しながらも、栄養教諭に求められている資質向上にふさわしいカリキュラムの検討を組み入れていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カリキュラム分析が軌道に乗ったことでおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
カリキュラム分析の結果をふまえてカリキュラム開発を目指すには課題解決が必要になる。栄養教諭養成は養護教諭養成を模範としていることもあり、養護教諭養成大学へのインタビュー調査も視野に入れる必要性を検討している。さらに文部科学省の専門家へのインタビュー調査等を実施し課題解決の糸口を見出しまとめる。
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